甚風呂は湯浅の町並みの特徴である小路の辻に立地し、個性的なデザインの塀を構えた浴場と、経営者の住居であった倉庫付きの主屋で構成されています。
建物の明確な建築年代は不明ですが、明治前期頃の建築と思われます。
平成21年からは銭湯跡歴史資料館として、公開されています。
甚風呂は江戸時代の嘉永年間(1848〜53)以前に須井甚蔵氏が開業した公衆浴場です。正式な名称は「戎湯(えびすゆ)」でしたが、経営者の名字から「甚風呂(じんぶろ)」と呼ばれ、4代目の須井甚一氏が昭和60年に営業を終えるまでの間、長年にわたり地域住民の憩いの場として親しまれてきました。
廃業から10年以上が過ぎ、主のいなくなった甚風呂は平成13年に町の財産となり、その歴史が受け継がれました。平成19年から2年間かけた修理工事を経て、現在は再びあかりが灯されています。ここを訪れる人たちとの出会いは、これから先ずっと、甚風呂の新たな記憶として刻まれていくことでしょう。
1階平面図
2階平面図